《MUMEI》 ふぅ…。 ここは結衣ちゃんち。 お父さんが1級建築士の資格を持ち、工務店をやっているだけあって…広い。 あれからここまで来る途中、さつきの尋問が止まらなかった。 もうくたくた。 必死で誤魔化したけど、さつきの疑いの目は晴れていない。 好きな人がいるって、どこでバレたんだろう。 さつき、エスパー? 「へ〜、なんか凄いね(笑)でも上手く行ったんだぁ、ホント良かった!♪」 結衣ちゃんが嬉しそうに言う。 「あのヒョットコ顔見せたかったわ〜。」 『さつきのヒョットコ発言で限界でした。』 「うわ、見たくねー!(笑)」 結衣ちゃんちは、普通に玄関があり、そこに普通にドアがあり。 で、そのドアの向こう側、外に、もう1つ部屋…と言うか空間があって…ガラス張りの。 上手く説明出来ないけど…。 とにかく結衣ちゃんちに入るには、まずそのガラス張りの空間のドアから開けて、そこを抜けて玄関のドアになる。 玄関の方のドアは、お父さんの仕事柄かお客さんが多いため、寝る時と誰もいない時以外は常に開いている。 そのガラス張りのドアが開かれる音がした。 ガラガラガラ。 … ?(「こんばんはー。」) 結「げ。」 母(「は〜い。…ああ、芳人♪」) 芳(「ども♪結衣居ます?」) 結「居ないって言ってー!」 芳(「お、いるいる。」) 母(「バカでごめんねー。いっちゃんとさっちゃんも来てるよ。ほれ、上がんな!」) いっちゃんがあたし、さっちゃんがさつき。 芳(「まじで(笑)お邪魔しま〜す。」) 結「お母さん空気読めや!」 母(「あんたの空気なんか知らないよ!」) そんなこんなで… 芳人くんが部屋に上がって来た。 芳「やぁ♪」 さ「お疲れ(笑)」 結「何しに来たのー。」 『やぁナオの彼氏♪』 芳「そうそう!よろしく、彼女の友達一味♪」 結「うぜー(笑)」 『はは。』 さ「ちゃんと菜緒子の事送ってくれた?(笑)」 芳「うん、途中でここでいいよって言われるまでだけど。」 結「気ぃ遣ってんでしょ、初日だし。」 さ「方向真逆もいいところだしね。」 『…上手く喋れた?♪』 芳「ちょっと緊張した(笑)てか俺いいの?!あんなかわいい子と!ナオちゃんかわいくない?!」 さ「はいはい(笑)」 『痒くなってきた(笑)』 結「もううるさいから帰っていいよ(笑)」 芳「ひでぇ。」 いいな、きっと幸せになれるよね。 ここでいいよ、かぁ…。 さ「あんた今誰の事考えた?(笑)」 !!! エスパーめ。 前へ |次へ |
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