《MUMEI》
傷ついた背中
「そうだ、これから遊ばね?」
「いいね」
「どこで」
「ゲーセンいかね?」
「ひさしぶりだなぁ」
 俺と、銀也でゲーセンで遊ぶ事になった。

 学校から帰った後、俺等は遊びに行った。
「公園の中通った方が早いよな?」
「そうだな」
 公園の中を通った。
 小学生やら、お年寄りまでたくさんの人がいる。
「あれ・・・友祥じゃね?」
「えっ・・?」
「友祥・・・・?」
「・・・・・・・・涼哉・・・銀也」
「友祥・・どうして・・そんな・・・・・」
「何でもないよ」
 友祥の体に無数のあざがあった。
「何でもなくないだろ・・・・こんな・・あざ」
「本当にどうってことないって」


「もしかして・・・・また先輩にやられたのかッ・・・」
「違う・・・」
「じゃあ誰に・・・」
「・・・・・」
「言えよ・・・・」
「俺等ダチだろ?」
「これ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゃ」
「ん?聞こえなかった・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・親・・・・・・・」
「えっ・・・・」
 俺と銀也の顔が一瞬青ざめた。
「びっくりするだろ」
「えっ・・・・・・」
 びっくりしなかったといったら嘘になる。でも・・・・・。
「びっくりしたよ」
俺が言う前に、銀也が言った。
「俺に言ってくれればよかったのに・・・・そんな事・・・」
「えっ?」
「ダチなんだから・・・」
「ありがと・・・」
 友祥はにっこり笑った。
 でも・・・その笑いは凄く悲しそうで切なそうだった。
 でも・・俺は聞けなかった。ダチなのに。
 『俺って最低だ』後からそう思ったんだ―。
 お前の目の前に『死』がせまっていたことに・・・気付かなかったんだ。

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