《MUMEI》
天使の考え、魔姫の予感
喧嘩しながらでも天使、快楽は考える。なぜ今自分が動きを止めている少年が黙ったままでいるのかを、それよりもなぜ少年はいきなり現れた自分達に驚くこともせず、自然に受け入れられたのか?

実際は何も考えていないのかもしれないが…それにしては自然すぎる…

段々、考えていても分からない事にイライラしてきた快楽は今はこの意味の分からない婚約問題を片付けてしまおうと思考を打ち切った。

後に後悔することになっても、時間は元には戻らないが…今はとにかくミスアとの話し合いが先決と判断した。





ミスアは生まれて初めて、"一目惚れ"というのを体験した。

魔界で初めて会ったときに、自分の心臓がいきなり高鳴って目の前の天使を直視出来なくなってしまった。

こんな感覚は初めてなのに、何故だか分かった…分かってしまった。


"ああ、私はこの人に惚れた"と。

だからこそ婚約者に選ぶこともできた、冗談でもなく偽装でもない。本当の意味で選んだのだ。

たださっきからなんだか嫌な予感がしてならない、魔界の住人の"嫌な"感覚はよく当たる、大体99%は間違い無い。

この予感が自分でないことをミスアはただ祈った。

…早くこの言い合いを終わらせよう…

そう思いどうにか納得させようとミスアは快楽を向き直った。

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