《MUMEI》 ―すると。 「高山の手って柔らかいのな」 「!」 硬直している私の手の平を、仲村君が自分の頬に添えた。 仲村君の肌は、想像以上に、きめ細かく、やわらかかった。 「もう、はなして…」 私は、消えそうな声で頼んだ。 しかし、相変わらず、仲村君の手は、振りほどけなかった。 私は、いっぱいいっぱいの状態だった。 「慎」 屋代君に促され、仲村君はやっと、手を離した。 (た、助かった…) もう、心臓が持たない。 私は、屋代君に感謝した。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |