《MUMEI》 私は、深くうつ向いていた。 ―ふと。 何となく嫌な気配を感じて… パシッ! (あ…) 気が付いた時には、私は反射的に屋代君の手を振り払っていた。 「…あぁ、そう。 慎限定、ね」 屋代君が、赤くなった右手を見つめていた。 (…しまった) 私はまた顔が赤くなるのを感じた。 前言撤回。 感謝なんて、するんじゃなかった。 私は、屋代君を無言で睨んでいた。 すると… 「高山、うちのチビみたい」 不意に、仲村君が呟いた。 「「は?」」 私は不本意ながら、屋代君と同時に反応してしまった。 (『チビ』って何だろう?) 前へ |次へ |
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