《MUMEI》 「「慰めじゃなくて!」」 貴子ちゃんと龍平さんが大声を出した。 私は、びっくりして、顔を上げた。 「貴子ちゃん、ここ、病院…」 「そんな事はいいの! 仲村君、確実に今日のお姉ちゃん気に入ってたわよ」 …今日の? 「どこが?」 ゆでダコになったり。 涙目で、『仲良くして』なんて言って困らせたり。 「…義姉さん。仲村君、義姉さんみたいに、可愛い性格の子、好みだと思いますよ。 しかも、自分限定の、レアキャラだし」 「レア、キャラ?」 私の言葉に、龍平さんは頷いた。 ? 私は、意味がわからなくて、首を傾げた。 「あ〜も〜、龍平、覚えた?!」 「バッチリ! でも、何で、『彼』の分も?」 『覚えた』? 『彼』? 「知らない。大兄さんの指示だから」 ? 「ねぇ、何の話?」 私が質問すると、 「退院祝いの準備の話!」 と、貴子ちゃんは笑った。 私は、 申し訳ないけれど、 …嫌な予感がした。 前へ |次へ |
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