《MUMEI》

「「慰めじゃなくて!」」
貴子ちゃんと龍平さんが大声を出した。

私は、びっくりして、顔を上げた。

「貴子ちゃん、ここ、病院…」

「そんな事はいいの! 仲村君、確実に今日のお姉ちゃん気に入ってたわよ」

…今日の?

「どこが?」

ゆでダコになったり。
涙目で、『仲良くして』なんて言って困らせたり。

「…義姉さん。仲村君、義姉さんみたいに、可愛い性格の子、好みだと思いますよ。

しかも、自分限定の、レアキャラだし」

「レア、キャラ?」

私の言葉に、龍平さんは頷いた。

?

私は、意味がわからなくて、首を傾げた。

「あ〜も〜、龍平、覚えた?!」
「バッチリ! でも、何で、『彼』の分も?」

『覚えた』?
『彼』?

「知らない。大兄さんの指示だから」

?

「ねぇ、何の話?」

私が質問すると、

「退院祝いの準備の話!」
と、貴子ちゃんは笑った。

私は、


申し訳ないけれど、


…嫌な予感がした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫