《MUMEI》

「……ッン」

後ろ手に拘束している昭一郎が衣類を剥ぐとき抵抗する。
猿轡を噛ませたから大概の音は体を押さえ付けとけば遮断できるだろう。

「此処、使った?」

今日の気になる要素だ。脚を強引にかっ開いて前に顔を置く。
膝を押さえ付けて腿に指を這わせた。
病気、症状については覚えている。

「ンン! ンー!」

昭一郎の唸るのが床の僅かな振動と空しく響く。



腫れてない。
形も、先も問題なさそうだ。
咥えてみる。

「……ふ!」

昭一郎の哭き声が掠れた。
普通に反応するし、漏らすときの通う痛みもないようだ。


奮っている。
俺は昭一郎を心配するフリをして本当は壊してしまいたくてまた来た。

俺の中で決別するため。

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