《MUMEI》

良幸さんが以前言っていた―

母親への『教育』と言う名の暴力。

それは、息子である良幸さんにも行われていた。

良幸さんの父親が、亡くなる直前まで、それは続いていた。

ちなみに、私の同級生である良幸さんの妹は、父親が亡くなった直後に生まれた為、虐待は受けていなかった。

良幸さんの父親は、『愛している』と言いながら、暴力を振るっていたと言う。
だから―

愛する者には、『教育』を。



暴力を。

それが、良幸さんの心に、当たり前のように染み付いていた。

―だから。

『教育』を受け入れてくれそうな。

男に免疫がなくて。

自分に自信がなくて。

なおかつ、自分好みの容姿の…

私、は。

良幸さんにとって、理想的な相手だったのだ。

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