《MUMEI》 「はい」 私が返事をすると… ガラッ! 勢いよく扉が開いた。 (うわ!) そこにいたのは、いつもの秀兄さんではなかった。 …ものすごく、ガラの悪そうに見える。 中学時代同じ部活の後輩だった慎君すら、驚いていた。 …ただでさえ、秀兄さんは、身長197センチで、肩幅があり、がっしりした体格をしている。 『料理に髪の毛が入るといけないから』と、調理師免許を取ってから、ずっと髪型はスキンヘッドだし。 本当はすごく優しい顔付きなのに、黒いサングラスをかけているから、わからなくなっていた。 いつもは、Tシャツにジーンズなのに、今日は黒のスーツだし。 きっと、貴子ちゃんと龍平さんにやられたのだろうと、私は思った。 「…」 秀兄さんは、無言で足早に私に近付いた。 私は、ニッコリ笑いながら、 「今日はわざわざありがとう、秀兄さん」 と、話しかけた。 前へ |次へ |
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