《MUMEI》

最初に男子から。

規定の人数に達しない場合は保留で、後で溢れた人達でジャンケン。

負けたら足りないとこに回される。


「…芳人くん、何に出るんだろうね♪」


あたしの隣の男子と席を交換したナオが、椅子を近付けて囁く。


『はは、本人に聞いて来たら?♪』

「だって篠崎が邪魔なんだもんっ。」


見てみると、篠崎と芳人くんが何やら爆笑しながらじゃれてる。

篠崎は…何を選んだんだろう…ね?


…なんだか視線を感じる。

相手は篠崎…

ではなくて、さつき。

そうだ、さつきもナオや篠崎の席と、割と近いんだ。
(47章参照)


『あ、あは…♪』


頬杖を付きながら、何か確信したような目でニヤニヤして見てる。


マズいかも。


「なに一葉キョドってんの?」

『え?ああ、なんでもないっ。』


さつきが席を立ち、近付いて来た。


ナ「あ、さつき〜。」

さ「…。」


言わないでよ?

こ、ここで言っちゃダメ!!


『さ、さつき…♪』


さ「…何に決めた?♪」


びっくりしたー。

てっきり、何か言われるかと思った。

…ニヤニヤしてるけど。



そうこうしている内に、男子の配分が決まったみたい。


篠崎が運命走と混成リレー。

芳人くんがボール運びと800mリレー。

ついでに小池が200mとボール運び。

ボール運び、1600m、800mリレーは、男子のみの種目。


いよいよ女子の配役だ。

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