《MUMEI》
運命の散った日
 今日は・・・クラス替えの日・・・・。
 俺等は・・・中学二年生になるんだ。
 もしも、あの時・・・・クラスが同じだったら・・・・あんな事・・・なかったのに―。
「涼哉っ・・・・」
「銀也と友祥・・・・!!」
「綾と燐と優は?」
「知らねぇ・・・」
「銀也ぁ〜」
燐が言う。

「燐っ・・!!綾・・!!優・・・・!!」
 俺等は全員集まった。

「見るぞ〜!!」
銀也が言った。
「せ〜の」

「あっ・・・俺・・・3組」
「あっ・・・・うちもだよ♪」
「うちもだよぉ☆燐・・・やったね」
銀也と燐と優が同じクラスだった。
「俺・・・・4組・・・」
「あたしも」
俺と綾が一緒だった。
「俺だけ1組かよッ!」
友祥が言う。
「友祥だけ寂しいね・・・」
「そだな・・・」
「まぁ・・・クラス違ってもダチじゃん?」
「ありがと」
「そうだよ」
「あっ、1組には浩介がいるじゃん」
「良かった〜」
 友祥が笑った。



〜友祥の視点〜
 クラス替えから一ヶ月たった頃からだろうか・・・。
「大沢死ね・・・・」
「キモイ」
 俺に対するいじめが始まった―。
「バイバイ」
 昇降口が1組は他のクラスのところと違うから、俺は皆と別れた。
 靴箱から靴を取って履く。
 教室へ行った。
「大沢菌がやってきた、逃げろ」
「近づくなよ」
 そう・・・・このいじめの元は・・浩介だった。今でも・・・あいつは・・・高笑いしてるんだ。
「もっといじめてやれよ」
浩介が言う。
 クラスの奴が俺の上履きを踏む。
 足に痛みが走る―。
「痛ッ・・・・・」
「うわ・・・大沢の足に当たっちゃったよ・・・謝って・・・大沢君・・・」
 俺はうつむいた。上履きの一部分が赤く染まった。
「血・・・・・」
 俺は教室から出た。屋上へ上がった。
「痛い・・・・」
 屋上で上履きを脱ぐと・・・足の裏に画鋲がぐさりと刺さっていた。そこから・・血が流れていたのだ。
 でも・・・保健室はいけなかった。こんな足で行ったら・・いじめられている事がばれてしまうからだ。
 俺は・・・ポケットから小さな絆創膏をとりだした。
「痛ッ・・」
 画鋲を手で抜いた。血が出る。絆創膏で抑えた。
「やだなぁ・・・あのクラス・・・・」

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