《MUMEI》 長い夜の始まり警察署から、マンションの前に到着したのは、私が病院を出てから40分後の事だった。 「じゃ、俺、一旦店に行って、また来るから」 「う、うん」 私は手ぶらの状態で、車を降りた。 秀兄さんの話によると、 慎君と祐希君は、貴子ちゃんが、マンションに送りとどけたらしい。 (きっと、かなり強引だったろうな…) 私は、慎君と、祐希君が怒っているかもしれないと、不安になった。 でも、待たせるのは、もっと悪い。 私は、部屋の前で15分ほど悩んでいた… そして、 やっと、部屋に入る決意を固めた。 前へ |次へ |
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