《MUMEI》 ガチャリッ 私は、持っていたマスターキーで、玄関を開けた。 「ただいま…です」 恐る恐る、中に入ってみる。 (…いた) 二人は、ダイニングキッチンのテーブル席に座っていた。 置いてあるペットボトルの中身が、ほとんど無い。 …待たせてしまった証拠だ。 「「…おかえり」」 慎君と祐希君が、声を揃えて言った。 慎君が、不思議そうな顔をしながら、 「お前、…鍵?」 と質問してきたので、 「…それ、スペアキー」 と、説明した。 これは、秀兄さんが持っているスペアキーだから、後で返さなければいけない。 私は、慎君にその事を説明し、鍵を受け取った。 「何か…ごめんね。いろいろ」 「本当だよ」 (う…) 口を開いたのは、祐希君だった。 かなり、機嫌が悪そうに見える。 ピンポーン その時、玄関のチャイムが鳴った。 前へ |次へ |
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