《MUMEI》 ―物置 「…ほら、手♪」 『あ…うん。』 篠崎に差し伸べられた手を掴み、どうにか起き上がった。 …なんで? なんでこうなるの? 助けなきゃいけない相手は篠崎なのに… どうしてあたしが助けられてるの? 「良かったな、怪我なくてさ。」 『…。』 絶対おかしいよ。 なんのために「見せ」られたの? 時計、無視した罰? でも、罰ならそのまま受けたよね? 自分に降りかかる事態を「見た」のは、あれが始めてだったけど…。 じゃあこれ、ホントは誰が… 誰がああなる予定だったの…? あの時血を流して倒れていたのは誰? 巻き込まれたのは… 巻き込んだのはどっち? なんで篠崎じゃなきゃダメなの…!! 「ありがとな。」 『…え?』 「助けてくれて。」 『でも…あたしが助けられたの!ありが…』 「知らせに来てくれたんでしょ?だから、ありがと♪」 『そうだけど、違うの!あたしのせいなの!』 「なんだよそれ(笑)…なんでも自分を責めるのはよくないぞ。それとね…」 『?』 「いつまでもこうしてたいのは俺も山々だよ?だけどギャラリーが嫉妬してんだよね〜♪」 『へ?』 「…手♪」 … 『っわあ?!』 「おい、いきなり拒否り過ぎだろ。」 『あは、ごめん…。』 ずっと篠崎の手を繋いでた…みたい。 ガッチリと。 …あぁもう。 「こっちは全部拾ったよ〜。それ持ってきて。」 さつきだ。 『あ、やば。…行くねっ、篠崎。』 「俺もやるよ?」 『ありがと、でもへーきっ。篠崎はバトン届けて。じゃあ向こうでね!』 「…おぅ♪」 『はぁ、ごめんねさつき!』 「…良い感じだったじゃん♪」 『ち が う の !』 「へぇ?(笑)」 『ホントにそん…』 「あたしあのままキスでもするのかと思ったね。」 『さつき!!!』 さつきに色々言われながら…みんなの所へ向かった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |