《MUMEI》 それぞれの周りの人のこと、環境のこと… 一通り簡単に説明すると、 私たちは病室に戻ることにした。 きっと、きっと見つかるよね… 戻る方法。 それまでは、椎名くんとして暮らさなくちゃいけないんだ。 ふと、右腕の包帯のことを思い出して、 前を歩く彼を呼び止めた。 「椎名くん!!」 「…どした??」 振り返った椎名くんに右腕を持ち上げてみせる。 「…助けてくれて、ありがとう…!!!」 椎名くんのお陰で、 私は、生きてる。 すると、椎名くんはそっぽを向いて 「…どーいたしまして」 小さく、つぶやいた。 …きっと、元に戻るんだ。 椎名くんを巻き込んだのは私だから。 戻してみせる。 きっと、必ず…!! 前へ |次へ |
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