《MUMEI》

―次の日

…まずは声を掛けるっ。

『おはよ、葉子ちゃん!』

「おはよ、一葉。」

…切り出すっ。

『あのね、…今体育祭の練習してるんだ!』

「うん、見てたよ。今日も転んだでしょ?(笑)」

…軌道修正っ。

『あ、違っ…いや、転んだけど、ムカデじゃなくて…』

「…混成?」

…ずばりっ。

『うん、…昨日順番も決まったよ!』

「そう、やっといてくれたんだね。」

…終わらせないっ。

『それで…練習なんだけど、葉子ちゃんも…来ない?』

「…それ言いたかったんでしょ?(笑)」

…やばっ。

『そう…です…。』

「考えとくから。」

…。

『さつきに、篠崎や涼ちんも居るから楽しくやれると思う!』

「…。」

…だめ押しっ。

『当日も、みんなで出たい…なぁって…。』

「…ありがとうだけ言っておくね。じゃ、帰るから♪」

『え?!まだ授業始まってすら…』

「〜♪」





何やってんだろ。




ダメだぁ…。





―放課後


練習は今終わった。


…。


涼「速いのか遅いのかよ、メンバーの誰も分かってないとこが良いよな、このチーム。」

篠「だよな、みんな本番まで我慢するドMだな。」

さ「はいはい。」

涼「さつきはSだな。俺濡れちゃう。」

篠「むしろわざと本番まで見せないSだな。俺起っちゃう。」

さ「うっざ(笑)ほら一葉、帰るよ。」

『は〜い。』

涼「一葉は一番のドMだな。俺イッちゃった。」

篠「さつきに慣らされてる一葉が一番だな。俺出ちゃった。」

『…。』

涼「ノッて来ないのかよ。」

『そんな気分じゃないし。…早漏。』

涼「訂正。お前らがSかMかはっきりしてくれないと俺ら困るんだよね。」

篠「攻めか受けか決めて欲しいよな。俺らにも心の準備が必要だし。」

さ「持久力付けてから言ってね。行くよ、一葉。」

『明日!!』

さ「は?」

『…は、葉子ちゃん来るといいね。じゃあ行こうさつき。』

涼「…おぅ。じゃあな。」

篠「…。」

さ「…だね。」





なんでみんな無関心でいられるの?!


東さんとこには広田や学級委員や他の子が行ってるってのに。


あたしとさつきは一度教室に戻り、制服に着替えて学校を後にした。

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