《MUMEI》

「まだ、慎がお前と結婚するわけじゃないぞ」

祐希が私を睨んできたので…

「いや、…違う違う」

私は慌てて訂正した。

「あのね、ウチの両親、実は今は海外出張中でね?
来年の春帰ってくるの。
でね、その間の事、報告するんだけど…
お母さんはね〜、興味持っちゃった相手には絶対、どんな手段を使おうとも、会いに行く人だから…
多分ね〜、今回の事で二人共ウチの兄妹に気に入られたから、少なくとも、お母さんには会うと思うのよね」

ごめんね、と私は二人に謝った。

…『海外出張』の内容が、私と秀兄さんの結婚相手探しであることは、伏せた。
「何で俺も?!」
私の説明に納得している慎君の横で、慌てて祐希君が抗議した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫