《MUMEI》

「えっと…貴子ちゃんは、微妙なんだけどね?
大兄さんは、若いわりに病院でのマナーがちゃんとしてるって感心してたし。
秀兄さんは、祐希君が、サッカーうまかったから、かなり気に入ってるし。
それだけ報告された時点で、お母さん、行動起こしそうだから…」

私は一気に説明した。

たまに、困っている入院患者に手を貸していたところを、大兄さんは、偶然見たらしいし。

秀兄さんは、あまり人の名前と顔を覚えられない性格なのに、祐希君の事がすぐにわかったし。

いつの間にか、祐希君は、私の二人の兄から気に入られていた。

私に近付く男に厳しい二人が、同時に気に入るなんて、滅多に無いことだった。

「…ごめんね?」

少し間をおいて、私が謝罪しても、祐希君はしばらく黙りこんでいた。

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