《MUMEI》 ―ベンチ あああああああぁぁぁ。 ヤバい、どうしよう! さつき、なんでいつもあんなに鋭いの?! これだけは、言ったら… 言っちゃったら、気持ち悪がられるだけじゃん! 嫌われたくない! やだ… やだよ…! 「…あれ?あたしそんなに怖い顔してた?…お〜い、泣かないで、一葉。」 どうしよう…。 『違っ…。』 「…。」 本当の事言ったら嫌われるし…。 『さつき…。』 「…うん。」 でも、これ以上良い誤魔化し方知らないし…。 『…。』 「…ごめんね、無理に聞き出そうとして。」 さつきにまた嘘を付く事になる…の? 『あのね、さつき。』 「…もう良いよ、気にしないで♪って…こんなになって今更無理か、ごめん(笑)帰ろっかぁ。」 『見てる!見えてるよ!さつきが見た物に怯えて何かを言おうとした時も、篠崎が落ちてきたボール入れに当たって、頭から血を流して倒れてたのも、…結衣ちゃんが窓から身を乗り出してる時に、降って来た錆の塊に頭ぶつけてそれごと転落してったのも…!』 …言っちゃった。 「…。」 『…言った事、思った事、全部現実になるんだ〜。今年からは死神みたい、笑。』 あぁ…。 今までありがとうさつき…。 あんたは唯一無二の、最高の幼馴染だったよ…。 ばいば… 「違うよ一葉!」 い…? 『はぇ?』 「そんなアホみたいな顔してないで。どうせあんた言ったら嫌われるとか思ったんでしょ。そんなのあたしだって化け物見てるんだし。まあ、あんたにしか言ってないけど。…なんかアホくさ!ムカついてきた!今までずっと見てきて、ずっと黙ってたんでしょ?!どうせ他にもあるんだよね?洗い浚い全部話せ!」 訂正。 誰か。 "かわいらしい"幼馴染を… くださ…い。 前へ |次へ |
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