《MUMEI》

私は足を、祐希君の股間スレスレの位置まで上げた。
「蹴り上げて、使いモノにならなくしてあげましょうか?」

「…冗談だよ」

私の脅しがきいたらしく、祐希君は手を離した。

同時に、私も足を下ろした。

祐希君は、まだ警戒しているらしく、私から一歩後退した。

「…まったく。悪い冗談やめてよね」

「悪かった。こういう事は、俺より慎にされたいよな?」

祐希君が茶化すように言った。

(ふざけないでよ)

何も知らない祐希君の、何気ない言葉にイライラした私は…

無言で、パジャマのボタンを外し出した。

「…って、おい?!」

祐希君は慌てたが、普段きっちりと隠れている胸元が、あらわになった時…

「お前…」
それだけ言うと、祐希君は固まった。

「ここ以外にも、あるけどね。
…こんな、他の男に傷つけられてきた醜い体で、好きな人に、抱かれる気になんてならないわよ」

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