《MUMEI》

「君が月野舞菜ちゃん……」




"king"とやらは、私の髪を優しく撫でる。




こんなに格好いい奴にこんなことされたら誰だってドキドキしちゃうよ。


例え、嫌いだとしても。



「俺の"queen"にふさわしい♪めちゃくちゃ可愛い!」



「…………あなたは、"king"??」


「そ♪"king"こと、加藤 翼でっす!!よろしくッッッ♪」




ニコッと笑う、"king"…




女子たちはその笑顔で、一斉に倒れた。




「以後、お見知りおきを♪」




―チュッ




―……………え゛―…!?!?!?





私は、頬を抑えながら後退りをした。




いっ……今………




私が口をパクパクしていると、"king"はクスクス笑う。




「もしかして、口にしてほしかった??」




「〜…んなわけないでしょ―!!!!」










"king"こと、



加藤 翼は、




ナルシストでドSな……









とんでもない奴だった……。

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