《MUMEI》
発祥地
「俺が好きなのは佐藤が俺を嫌いにならないから。
俺がキスしてもこうして口もきいてくれるし、男が好きな夏川でも仲が良かった佐藤に何も隠さないで友達になりたい思った。



でも、1番羨ましかったのは夏川が佐藤にキスしてたってこと。
嫉妬していた。

佐藤の自然と笑いを誘う口元に夏川の唇が押し当てられてたと思うと悔しくて…………なんだか、興奮してきた。」

佐藤を考えて興奮することなんてざらにあるけど。このタイミングでというのはおかしいだろ俺。

「……俺なんかに?」

会話の一部だと思っているのだろう。
ばれたら確実に引かれるなこれ。
やや前屈みで悲しくなってきた。

「気を悪くするかもしれないが佐藤はめっちゃかわいいぞ?」

そりゃあもう、刺激的に、かわいい。

童顔で見た目ギリギリ高校生なのに、中身が実はかなり大人だったりするとことか。
でも人一倍孤独に敏感なとことか。
実は一重に見えて奥二重だとか。
下唇がふっくらやらかいとか。

そのくせ、恋愛に臆病なとことか。

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