《MUMEI》

素早く私から受け取ったプレゼントの封筒を確認し…
苦笑した。

「…何? 気に入らなかった?」
「いや、俺の、開けてみろよ」

(何なの?)

私は、眉間にしわを寄せたまま、言われた通り祐希君から受け取った封筒を開いてみた。

そして…

祐希君と同じように

苦笑した。

「…な、笑えるだろ?」
「まぁ、ね。でも、これ、本当にいいわけ?」

私は中身を見ながら、確認した。

「…俺、慎に愛されてるし? ま、日帰りなら問題無いでしょ
それに…。
俺が空いて無いとき、慎が他の男に誘われて、クリスマス過ごすよりは、お前の方がマシだ」
「なるほど、ね」

多分…

『他の男』の筆頭は、木下君だろう。

彼は慎君と親しいし…

祐希君とも面識があるようだった。

私に、『クリスマス合コン参加者募集』メールも送ってきていたから…

そういう男よりは、私は安全なのだろうと、納得した。

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