《MUMEI》

私がサービスカウンターに入った時、スタッフが一人でこの一連の動きをしていた為、ラッピングされていない商品が山積みになっていて、女性スタッフは、パニックになっていた。

「お疲れさまです」
「あ、お願いします!」

私が声をかけると、その人は、すぐにプレゼントを受け取りに来たお客様のお見送りに向かった。

「さて、やりますか」

私は、商品を手にとり、ラッピングを始めた。

箱がある物は、比較的簡単にできる。

問題は、複数の物や、柔らかい素材の物だが…

割と、ラッピングは好きなので、私は次々に仕上げていった。

こういう、地味で黙々とこなす作業は、私に向いていた。

「ご、ごめんな さ…い?」
「あの〜、適当に仕上げちゃったんで、大丈夫だったら、店内放送して下さい」
私は、戻ってきた女性スタッフがさっきまでいた位置に、仕上がってた商品を並べておいた。

ちなみに、その数五個。

話しかけながら、私は六個目のラッピングにとりかかっていた。

「大丈夫、うん、全然。そのまま、ショップの袋に入れちゃって」

「はい。ありがとうございます」

私は、六個目を、ショップの袋に入れた。

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