《MUMEI》 「でね、さっきの話の続きなんだけど…」 「任せて!お姉ちゃん」 ケーキを切り分けている私に、貴子ちゃんは、Vサインをした。 …この話の流れは。 同級会前と、同じ、ノリだ。 でも、あの時と同じように、龍平さんのショップに行く時間は無い。 「…貴子ちゃん?」 「龍平からね、バイトのお礼にって、服とブーツ預かってきたの!」 「えぇ?!」 あれ、だけで? 驚く私に… 「だから、メイクも洋服も全部私に任せてね!」 貴子ちゃんの言葉に 「じゃ、今日は、皆泊まれるな」 大兄さんが笑顔でそう断言して 「良かった良かった」 秀兄さんが、うんうんと頷いた。 話はどんどん進んで… 私は結局、その日は実家に泊まった。 前へ |次へ |
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