《MUMEI》 あまり慎君が見つめてくるので… 「…? 何? どこか、変?」 恐る恐る、私は自分の服装を確認してみた。 すると、慎君が 「いや、綺麗だよ」 と、珍しく私を褒めてくれたので、私は嬉しくて、顔が赤くなってしまった。 こんな風に私がなるのは、身内以外では、慎君といる時だけだった。 「き、切符買わないとね!」 私は、慎君から目をそらして、目的地までの値段を確認し始めた。 慎君は切符代をおごるつもりでいたようだが、私はそれを断った。 駅のホームで電車を待っている時に、帰りの分はおごると慎君が切り出してきたが… 「いいのよ」 と私は笑顔で断った。 元々、今回の事は、私と祐希君が勝手に決めてしまった事だし。 『友達』なら、割り勘が当たり前だと思った。 実際、三人の時はいつも割り勘だった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |