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《MUMEI》 まず、最初の質問。 「俺の事、好き? 」 「…イエス」 私は、はっきり答えた。 次の質問。 「それは、友達として?」 「…」 模範回答は『イエス』だが、本音は『ノー』の私は、迷った末に、沈黙を選んだ。 慎君が、質問を変えた。 「祐希と俺なら、俺が好き?」 「イエス」 即答。 「家族と俺なら、俺が好き?」 「…イエス」 今度は、少し間をおいて、答えた。 「もしかして、志穂の中で、一番好きなの、俺?」 「…イエス」 消えそうな声で、私は答えた。 「俺と、…恋人同士に、なりたい?」 「…ノー」 即答。 「は?！」 慎君が、驚くのも無理はない。 普通は、『イエス』だから。 「俺に、祐希がいるから?」 「イエス・ノー」 「…どっち?」 「半分イエスで半分ノー」 「どっちか！」 「……ノー」 慎君は、怒っているようだった。 (でも…) これが、私の正直な答えだった。 前へ |次へ |
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