《MUMEI》 「ここからは、ちゃんと答えろ」 「今までも、答えてる」 私の言葉に、慎君は更にいらついたようで私の両肩を掴んできた。 「…わけわかんね〜よ。好きだけど付き合えないってどういう事だ?!」 慎君が、私の肩を揺さぶりながら、問い詰めてきた。 理由は…言えなかった。 「…好きだから。だから、…付き合いたくない事だってあるの! だから、慎君と祐希君の関係知った時、 …ショックだったけど、嬉しかった。 こんな…私でも好きな人の幸せを手伝えるって 大体、慎君には、祐希君がいるからいいじゃない!」 「よくない!」 (え…) 叫ぶ私を慎君が、自分の方へ引き寄せ、抱き締めた。 「…? 何、?」 突然の事に、私の体と思考回路が硬直した。 「よくない。俺は、…お前も好きなんだ」 「何それ!」 私は、動揺していた。 「俺も、わかんないよ! わかんないけど、好きなんだよ、お前も、祐希も…」 (聞きたくない…) 「…はな、して…」 私の言葉に、慎君はゆっくりと腕をほどき、私から離れた。 私も… 祐希君も… 同じくらい、好き? 私は 慎君の言葉の意味がわからなかった。 前へ |次へ |
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