《MUMEI》
〜♪

…

『はぁ。』

「もっかい。ほら。」


ガチャ


「はい。」

『あ、葉子ちゃん！！』

「…一葉。」

「よぉ♪」

「篠崎…。」

『あの…ちょっと話せる？』

「…いいよ、上がる？」

『いいの？！』

「まあ、客人だし。」

『ありがとう！』

「お邪魔します♪」



葉「てきとーでいいよ。誰もいないし。」

『ありがとっ。久しぶりだなぁ。あ、ピッピ♪』

ピッピは葉子ちゃんの飼ってる小鳥の名前。

篠「へぇ…かわいいな。」

葉「はい、こんなのしかないけど。あ、ビールもあるよ？」

『あは…は。』
篠「おい(笑)」

葉「それで…体育祭だっけ？」

『う、ん。』

葉子ちゃんから振られちゃった。

篠「来いよ。」

『うん、メンバーも楽しい人ばっかりだし…おいでよ！』

葉「お姉ちゃんも言ってた。」

『ごめん…何度か来たんだ。』

葉「篠原は昨日も来たみたいだね、休みなのに(笑)」

篠「…バレた？♪」

葉「聞いた。」

"まじかよ。だから昨日…"

昨日…来てたんだ。

ホントにこの人は…。

『…こないだ、お姉さんが葉子の事よろしくって言ったんだ。…優しい顔してた。』

葉「…。」

篠「良い姉ちゃんなんだろ？まあ、ぶっ飛んでるとこもあるけど(笑)」

葉「って言うか行かなくなったきっかけはお姉ちゃんでもあるんだけどね。きっかけはそうでも、責任押し付けてる訳じゃない。」

『そ…っか。』

葉「ある日お姉ちゃんとその仲間に誘われて遊びに行ったの。ただそれだけ。」

『それが楽しかったんだよね？だから誘われる度に行っちゃう。それで、えーと…サボり癖が付いちゃうと言うか。ちょっと…わかるな。』

実際カズ兄とその友達と何度か遊びに行ってるし、気持ちはわかるんだよね。

葉「そうそう、ホントそんな感じ。って、一葉わかるんだ？(笑)意外過ぎるんだけど。」

『うん、お兄ちゃん達とたまに遊びに行くんだ。釣りとかキャンプとか…アウトドアが多い、笑。』

葉「へぇ(笑)」

篠「一葉の兄ちゃん４つくらい上だよな？」

なんで知ってんの？

さつきが言ったのかも…？

『…うん、今高２♪』

葉「うちのとタメじゃん。」

篠「て事は二人の兄ちゃんと姉ちゃん知り合いじゃない？※北中出身だろ？」
(※28章参照。一葉達の通う中学の略称。)

『うん。』

葉「じゃあそうかもね？」


意外な共通点が見つかり。

それから話も盛り上がって、ただ遊びに来ただけのような楽しさの中、時間が過ぎて行った。

なんか…幸せ。

良かった。



篠「でさ、返事は？♪」

前へ |次へ
作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する
携帯小説の
無銘文庫