《MUMEI》
年末
年末年始は、ビジネスホテルは暇になる。

だから、私は、リゾートホテルのバイトに行く事にした。

一応、『12月28日から1月5日まではいつでも大丈夫です』とメールしてみると…
『助かるよ〜、元旦以外はお願い!』と、バイト先のチーフからすぐに返信があった。

大晦日と元旦は、実家に顔を出すよう言われていたから、丁度良かった。

私は、短く『はい』と返信した。

それから、秀兄さんに、『大晦日は夕方から実家に行くからね。その日は泊まって、元旦の夕方マンションに帰る』とメールしておいた。

メールと言えば…

慎君から…

何度かメールが来ていたが、私は未だに返事をしていなかった。

何気ない、いつものメールだったが…

正直、クリスマスでの事を思い出すと、何と返していいのかわからなかった。

とりあえず、私は…

他の『友達』と同じように、

当たり障りのない内容の

手書きの年賀状だけは、出しておいた。

(そういえば…)

祐希君に渡した、クリスマスプレゼント。

温泉旅行に…二人は出かけるのだろうか…

少し、気になったが…

(きっと、ちゃんと行くわよね)

私は、メールはせずに、一人で納得した。

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