《MUMEI》

「はい、これ。見に行けないけど、頑張ってね。」

『うん、ありがとう!』


今日から体育祭が始まる。

お母さんがお昼のお弁当を作って渡してくれた。


「お前何に出るんだっけ?」

『200mと混成リレーだよ。あと、ムカデ♪』

カズ兄。

「ふ〜ん。…見に行こうかな♪」

『やだ。』

「なんでよ。」

『てか学校でしょ?』

「だって今日は壮行式だもん。出なくていい。」

『カズ兄のは草野球で部活じゃないんだっけ?てかあんなとこ行ってんのに良くサボれちゃうね。』

「そう、部活じゃないし。あとね、同じ名前でもあっちとこっちでどんだけ偏差値違うかわかってる?10はあっちのが上だぞ。」

『そう…なの?!』

今知った、はは。

「なら一樹、よろしくね。行ってきます。」

『お母さん?!』

「りょーかい♪行ってらっしゃ〜い。」

お母さん、なんかこういうのには寛大なんだよね。

不思議。

「じゃあ俺先に学校行って人集めて来るから。じゃね〜♪」

『はぁ?!人って…あ、カズ兄!』




―グラウンド

「くどかった〜、倒れるかと思った!」

さつき。

学校長の話が長いのは最早定説。

『うん、あれだけで疲れちゃったね。』

「あれ…葉子ちゃんじゃない?」

誰かが言う。

「ホントだ。」

「来たんだ。」

『どこ?!』

さ「…いいね?みんな。」

結「はい、先生!」
サ「うん♪」
佳「あいよ♪」
ナ「まかして!」

『なんの話?…あ、葉子ちゃん!!』


葉「おはよ♪」


『おはよ!来てくれ…』

さ「おはよう、葉子ちゃん。」
結「おはよ、頑張ろうね♪」
サ「おはよーぅ!」
佳「待ってたよ♪」
ナ「弁当一緒に食べようね!」

みんな…!


葉「…うん、ありがとう…♪」


篠「よぉ♪」

涼「おはよーさん。」


篠崎…涼ちん…!

あぁ、泣きそう。


葉「…みんなありがとね。てなんで一葉が泣くの?(笑)」




やっばい!

最高に楽しみだ♪

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