《MUMEI》 私の言葉に、秀兄さんは、居間に続く廊下の途中で足を止めた。 「…帰ってもらった」 「そう…」 秀兄さんは、あの金髪美女はお気に召さなかったらしい。 「そしたらさ〜」 「?」 秀兄さんは、居間に向かってズンズン進んだ。 「あ…」 そこに、いたのは、 「第二候補、だって」 貴子ちゃんと、大兄さんと楽しそうに話す、アジアンビューティー。 「は、はじめまして。私、果穂さんに言われてきた…秀さんの、花嫁候補の、メイファです」 「はじめまして。妹の、志穂です」 私達は、お互い、深々とお辞儀をしながら、自己紹介をした。 メイファさんは、韓国から来たらしい。 奥ゆかしくて、可愛い感じの人だった。 「な〜んかさ〜、あの人…」 「あぁ」 「うん」 私とメイファさんを交互に見つめながら、秀兄さん以外の三人は、何か同じ事を考えているようだった。 大兄さんが、代表して、秀兄さんの肩を叩いて何かを言っていたが… 私には、聞こえなかった。 その後、仕事を終えた龍平さんと、楓さんがやってきた。 「私、来ちゃって良かったんでしょうか?」 遠慮がちな楓さんに… 「いいんだよ、どうせ身内になるんだから」 前へ |次へ |
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