《MUMEI》
決意と・・思惑
「・・・聞いた通り、彼女と一騎打ちをする。腕に覚えがある者は私の所に来なさい。」
動揺するコーリア軍を横目に、後方へと下がるアルトレア。
「・・アルトレア様、皇国軍の増援と思われる部隊と戦闘に入ったとの連絡が着ております。あまり時間をかけていては。」
副官らしき騎士がアルトレアに告げる。
「増援・・そうですか。それは良かった。・・ローエンとギリスには伝えないでくださいね。」
あまり表情を動かさずに頷くアルトレア。
「解っています。彼らは信用できませんので。しかし・・何故あのような提案を?」
「私は・・ロゼ皇帝を悪く思えませんでした。こうして話をした後でも「悪」だと言い切れません。彼女は彼女の正義を持って立っている、そう思えるからかもしれません。」
副官にのみ聞こえるように小さく言葉にする。

「・・・あの提案を受け入れた理由を説明してほしいのだが。」
ローエンがアルトレアの前に出て口にする。
「勅命だぜ?殺すか捕らえろってのは。」
ギリスも同じように意見を口にする。
「・・・一騎打ちの方が楽しめるでしょう?どちらにせよ、ロゼが死ぬ事に変わりは無い。」
無表情にそれだけ言い捨てるアルトレア。
「まぁな、一騎打ち、もちろん俺が一番で行かせて貰うぜ?」
「良いでしょう。私が戦いたかったのですが・・あまり独断で動いては文句もあるでしょうから。」
そう言うと、ロゼの前へと戻っていく。

「陛下、何故ですか。あのような事を言えば間違いなく陛下は!!」
「・・・」
アルトレアが去った後、近衛騎士達はロゼに向かって抗議をしていた。
「自分達も戦わせてほしい。」と。
「・・・私が倒れるまでは絶対に剣を抜かず、静観してください。」
ロゼの返答はその一言のみ、それ以降は完全に沈黙しアルトレアが率いている軍を正面に見たままだった。

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