《MUMEI》 『あんなとこ』 (確かに) 私のマンションの駐車場に何故慎君がいたのか。 しかし、 …今の、慎君には訊いてもわからないだろう。 「こら、いい加減にしろ、慎」 「ん〜? そうだ、祐希が口移しで飲ませてくれたら飲むよ」 そう言って、慎君は、目を閉じて、唇を祐希君に突き出した。 「お前、ここ、どこだと…」 さすがの祐希君も、動揺している。 (仕方ない) 私は、祐希君の肩を叩いた。 「…してやって」 「…マジ?」 私は、頷いた。 脱水症状になられては、困る。 祐希君も、覚悟を決めて… ミネラルウォーターを口に含むと… 慎君と唇を重ねて …口移しで、飲ませた。 ゴクンと、慎君は、それを飲み込み… 「おいし〜」 と笑って、 「もっと!」 と目を閉じた。 私達がその様子に呆れていると… 「何? この酔っ払い」 「徹君…」 背後に、風呂上がりの徹君が立っていた。 「あ〜!」 目を開けた慎君が、徹君を指差して、 「健志が言ってた、志穂の彼氏だ!」 と叫んだ。 前へ |次へ |
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