《MUMEI》

「「…彼氏?」」

徹君と、祐希君が、同時にキョトンとした顔をした。
「違っ…」
「初詣デートしてたって聞いたぞ〜
てか、一緒に住んでるなんて、や〜らし〜!」

否定しようとした私の言葉は、慎君の大声でかき消された。

「で、実際は?」

「「従姉妹です」」

祐希君の質問に、私と徹君は、同時に答えた。

「そうだ、徹君。慎君、大丈夫かな?」
「『慎君』って…まさか、この人、『仲村 慎』?」

徹君は目を丸くした。

「いつもは、こうじゃないからね!」

私は、慎君の名誉の為に、必死で説明した。

「はぁ…、で、こちらは?」

徹君が、チラッと祐希君を見たので私は…

「慎君の、親友の屋代 祐希君」

と説明した。

酔っ払った慎君が何か言い出さないか、私はハラハラしていたが、慎君は…

いつの間にかヨダレをたらしながら、熟睡していた。
…祐希君に抱きついたままで。

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