《MUMEI》
話し合い
翌朝。

私が朝食の準備をしに台所に行くと、祐希君が、ミネラルウォーターを飲んでいた。

「おはよう」
「おはよう、悪い、シャワー借りた」

そう言った祐希君は

ちゃんと、洋服を着ていた。

「いいわよ、今日、仕事?」
「あぁ、そっちは?」
「バイト」
「そっか。あ、俺、早番だから、そろそろ行くな」

祐希君は、慌てて玄関に向かった。

部屋を出る時、祐希君が、私に話しかけた。

「後で、話がある」
「私も」

お互い、二人で話したい事があったようだ。

「おはよう」
「おはよう、徹君」

それから少しして、徹君が起きてきた。

…慎君は、まだ寝ているようだった。

私は徹君に、『バイトに行っている間、慎君の面倒をみてほしい』と頼んだ。

徹君は、渋々頷いた。

私は、徹君の昼食と、慎君用に土鍋に雑炊を作ってから、バイトに出かけた。

私は、バイトが終わると、マンションの駐車場で、祐希君を待っていた。

そこへ、仕事を終えた祐希君の車が入ってきた。

私は、祐希君の車の助手席に乗り込んだ。

「お疲れさま」
「そっちもな?…慎は?」
「…徹君に、頼んできた」
「そうか」
祐希君は納得した。

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