《MUMEI》

私は、慎君に遊園地で、キスと告白をされたと―

…慎君は、寝ていると思っていたが、私は、実際は『寝たふり』だった事も恐る恐る付け加えて、祐希君に話した。

祐希君は、慎君と年末年始温泉旅行に行って…

そこで、慎君から、私と祐希君の、二人共好きで、二人と一緒にいたいと告白されたと…

その告白に、同意した、と話した。

「…それで、いいの? 祐希君は」
私は、祐希君の話に、目を丸くした。

男の恋人がいても『友達』として、一緒にいたい私が言うのも何だが…

慎君の告白は、かなり、非常識な考えだと思う。

「いいも何も…
慎が望んでるんだから、仕方ないだろ。

だから、お前は、お前も慎が好きなら、慎の望みを叶えてやれよ」
「でも…」

(私の、体は…)

すると、祐希君は、私の胸元を指差した。

「『それ』、驚きはするだろうけど、『それ』くらいで、慎はお前を嫌いにならないぞ」
「…本当に?」

祐希君は、頷いた。

そして…
「慎の恋人の俺が言ってるんだから、間違いない」
と、続けた。

(何、それ)

その言葉に、私は笑ってしまった。

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