《MUMEI》

何が起こっているかまったくわからなかった。

とりあえず…

体が冷えきっているのは、事実だった。

私は、湯船にお湯を入れ始めた。

それから、脱衣所の鍵を閉めて、洗面台で、コンタクトを外し、化粧を落とした。

(あ…)

洗顔を終えた私の顔には、左頬にくっきりと傷跡が浮かび上がった。

…絆創膏は、部屋に行かないとない。

(…隠せば、いいか)

私は、そう思いながら、バスルームに入った。

(慎君、本当に泊まるのかな?)

(徹君と祐希君、どうなったんだろう?)

湯船につかりながら、私は首を傾げるばかりだった。
あやうく上せそうになり、私は慌てて湯船から出て、脱衣所に戻った。

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