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《MUMEI》 「俺、一応、シャワー浴びてきたから」 そう言って、慎君が服を脱ぎ始めた。 「うん」 私は、ベッドで仰向けになっていたが、まだ寝間着もタオルも付けていた。 初めてでもないのに… マグロな自分が恥ずかしくなった。 ギシッ 慎君が、ベッドに上がってきたので、私は、 「電気消して…」 と頼んだ。 「…却下。 見せて、志穂の、秘密」 慎君が、私の胸元のタオルに手をかけた。 体が、震えてきた。 「でも、…でも」 「大丈夫、どんな志穂でも、俺は、好きだよ」 (本当、に?) 私の目からは涙がこぼれていた。 慎君は、それをそっと拭うと、私のタオルを、外した。 (…見られた) 「ごめんなさい、…他にも、あるの…」 そこにあったのは、無数の醜い傷跡だった。 慎君は、その跡を撫でると、キスをしてきた。 その度に、私の体が驚くほど敏感に反応した。 「大丈夫だよ、こういうのはね…」 ペロリッ 「…っ…あっ…」 「舐めれば、綺麗になるから、それとね」 慎君は、私の腕を掴んだ。 「志穂の顔と声は、すごくいいから、隠しちゃだめ。 腕は、俺に預けといて」 (いい、の?) 私は、迷いながらもコクリと頷いた。 前へ |次へ |
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