《MUMEI》

「ん…素直」

私が慎君の首に腕を絡めると、慎君は嬉しそうに笑った。

良幸さんは、体を触られる事を極端に嫌がる人だったから、私はその反応がとても嬉しかった。

それから慎君は、私の体にある傷跡を、全て舐めていった。

うつ伏せにして、背中まで…綺麗に。

そのたびに、私の体が恥ずかしいほど素直に反応した。

私の肌に、慎君の印が、刻まれて、肌に花が咲いていくようだった。

「そこ…何も…無い」

「ん?…」

慎君がヒモをほどくと、白い布がすぐに外れた。

「そう、じゃ…」
「…ッ…アッ!…」

慎君の指が、私の中に入ってきた。
小刻みに指が動く度に、体が震え、…声が、止まらなくなる。

指の本数が増え、た…

「志穂は、濡れやすいんだな?」
慎君が、私から抜いた、指を、舐めた。

(恥ずかしい…)

「違っ…慎…君だから…」
「『慎』」
慎君が、私の耳元で囁いた。

私の体が、それだけでまた熱くなった。

「慎って呼んで、志穂」
慎君が、今度は、私の顔の前で言ってきた。

「し…ん…?」

私の唇を、慎君が塞いだ。

「そう。…もう、いい?」
(あ…)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫