《MUMEI》

「慎の、…H」

そう言って、私は、ベッドの下に落ちていたシャツワンピースを引き寄せながら、慎を睨んだ。

「志穂が悪い。…俺を刺激するから」
「そんな事、してない!」私が一生懸命否定しているのに、

「はいはい」
慎は軽く聞き流した。

そして、慎は落ちていたTシャツと下着を身に付けた。

「シャワー、一緒に浴びる?」

「…後でいい」
私が言うと…

「じゃ、お先」

慎は、バスルームに向かった。

(だ、誰? あれ?)

私は、クラクラした。

身長が私より低くても…

可愛い顔してても…

やっぱり慎は、『男』何だなあと実感した。

ふと…

(祐希君との時は、どうなんだろう…)

という疑問が…頭をよぎったが

(だめだ)

抱かれる慎が、私には想像できなかった。

とにかく、慎は。

私の想像以上に、…逞しくて、

男前な事は、わかった。

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