《MUMEI》

その様子を見た慎が、

「もしかして、今日、来るのか?」

と、質問してきた。

恐らく、私の兄妹が来ることを訊いているのだと思った。

私が

「ううん。後で実家に届ける」

と答えると慎はホッとしていた。

その時。

ピンポーン

玄関のチャイムが鳴った。
カチャッ

返事を待たずに扉が開き、
「ただいま〜」

と、徹君が入ってきた。

「…お邪魔します」

つづいて、祐希君も。

この二人は、昨夜どうしたのだろうかと、私は気になっていた。

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