《MUMEI》

「でさ、君、ゲイだよね?」

母さんは、祐希君を指差して、言った。

「そうですよ」
「そうなのか?」
祐希君があっさり認めたので、慎が、少し驚いた。

(何で慎が驚くの?)

「…何で、慎が驚くんだ?」

祐希君が、私の考えと同じ事を言った。

「いや、祐希はどっちもイケるかと…」
「俺は、女、無理」
祐希君は、きっぱり言い切った。

「いいかな?続けて」
「「はい!」」

母さんに声をかけられ、慎と祐希君は声を揃えて返事をした。

「ん、よし。…で、慎君と、えっと…」
「屋代祐希です」
祐希君が名乗った。

「ごめんね。慎君と祐希君は付き合ってるんだよね?」

「はい」
祐希君の言葉に、慎も頷いた。

「…で、慎君は受け、だよね?」
「は…い…」
慎の返事に、母さんが、ニッコリ微笑んだ。

「じゃ、三人で付き合っても、問題無いよね」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫