《MUMEI》

「慎君と、志穂の子供が見たい、私」

と、母さんは笑った。

「か、母さん!」
「何よ。その為に、徹に、主治医の林先生にかけあってもらってあるんだから。
全面的に協力してもらえるから、妊娠できるのよ、志穂は。

…孫、見たいもん」
「そんな事…言われたって」

―その時

「子供、作ればいいじゃん」

そう言ったのは



祐希君だった。

「俺も、見たい。慎と、お前の子供。
…俺は産めないし」

祐希君は、苦笑した。

「本気、なの?」

問いかける私の声は震えていた。

…信じられなかった。

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