《MUMEI》

母さんとの話し合いが終わってから、翌日は、とにかく忙しかった。

特に、慎の家族、が。

うちの方は、ほとんど問題無かったが、慎の家族は、私とほとんど面識が無かった。

私が、『高山家の娘』と言うだけで、慎の家族はもとより、親戚も大騒ぎだった。

結納や結婚式をしなくていいと私が言うと、慎の両親はホッとした様子だった。
私達が結婚すると聞いた中学の同級生達も、大騒ぎだった。

ただ、昔から私の気持ちを知っていた木下君だけは、納得していた。

それから、慎は私のマンションに引っ越してきて、一緒に生活を送るようになった。

私は祐希君も誘ってみたが、『職場が遠くなるから』と、祐希君は、相変わらずアパートに住んでいる。

もちろん、慎と祐希君は、今でも恋人同士だから、二人の都合が合う時は、慎は祐希君のアパートに泊まりに行っていた。

それに、相変わらず私達は三人で、食事やカラオケにも行っていた。

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