《MUMEI》

―ファーストフード店


「…。」


「…。」


『…はぁ。』


一「さ、さつき…へへ。」
篠「ハーレム♪」


…よりによって篠崎とか。

誰かと居る感じはあったけど、まさかだよ。


『一葉、一人でこっちね。あたし向かいの篠崎の隣行くから。』

一「えぇ〜(泣)」

篠「ようこそ♪」



「さつきは…どうして今日呼んだの?」

『一葉の質問に答えようと思ってさ。昼間は…まああの場で話すもんじゃないし誤魔化した。』

「え!(笑)…でもそうやってちゃんと言ってくれるとこがさつきだよね♪」

『…うん、ごめんね。』


嘘じゃない。

ただこれからどうしよう…か。


「俺、席外すね。」

「え?…えと…」

『…大丈夫だよ一葉。』


心配しなくていい。

余計な事までは言わないから。


『篠崎も。ごめんね、気遣わせて。』

篠「…そっか♪」


『…じゃあ言うね、一葉。』

「うんっ。」


"…言った事、思った事、全部現実になるんだ〜"

"今年からは死神みたい"


『…あの考え方は間違ってるし、今年からじゃない。変えられるんだよ。だから違うって言ったの。』

一「…全然わかんない。どういう事?なんで言い切れるの?それって、何か確証があって言ってくれてるんかな?」

『だから、確証は小2の公園での事。…消えたって言ったじゃ…ん。』


やば。


一「それは…ん〜…そっか!じゃあ、それでいいや♪ありがとうさつきっ。」

『…うん。』


これで良い…よね?

嘘は付いてない。


一「あ、小2で思い出した!なんで小2で学童辞めたんだっけ?思い出せないんだよね〜。」

『…。なんだったろうね?学校の友達と遊べないからとかじゃない?覚えてないよ、あたしも。』


バカ。


篠「…。」

「きっとそうだ!(笑)あたし水泳もやってたから尚更だよね〜。」


嘘…付いた。

理由なんて…

言えない、本当の事は。


「野球も…ん?たぶん小4か小5からで…まあとにかく学童には行ってなかった♪」


それに、死神とか言ってたっけ。


それも本当は…


でもさ。









”キャー!”

”せ、せんせぇー!”


”…。”


”一葉ちゃん、あなた何をしたの!”


”…。”









あんた、記憶なくしてるもんね。

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