《MUMEI》 「学校は?」 レイは出ていけとは言わないが、さりげなく背中を押してくる。 「別にいい」 行けない、今行ったらセフレに問い詰められる。 「……私が一緒に居てあげるからさ、学校行こうよ」 「触んな!」 レイが触れてきた手を振り払う。 過敏になっていた。 病気が移ってしまいそうで怖くなったのだ。 「……格好悪いよ国雄。あんたは見かけばっかり気にして、自分から一度でもぶつかって来たことある? 私、国雄がやっとぶつかってきてくれるって嬉しかったんだから!」 レイの言い分はいつも正しい。 「……っせぇよ 出ていきゃいんだろ!」 微塵も間違えないから反論出来ず悔しい。 「格好悪い」は想い人から言われるとキッツィ。 しかし、今は何も出来ない。 俺のアパートもまだ誰か待ち構えているようだ。 さて、何処へ行こうか。 前へ |次へ |
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