《MUMEI》 【秀(ひで)】高山果穂(たかやまかほ)と、夫の大志(たいし)は、海外出張から戻ると、まず、最愛の娘である長女(…上二人が男なので三番目にあたる)・志穂(しほ)のマンションを訪れた。 そこで、志穂の恋人の仲村慎(なかむらしん)と、その恋人で、ゲイの屋代祐希(やしろゆうき)と、話し合い、『こちら』は、円満に解決した。 しかし、もう一つの問題は、聡明な二人がいくら考えても、幸せな結末には辿り着かなかった。 二人は志穂のマンションを出ると、重い足取りで、自宅に戻った。 「おかえり」 「「ただいま」」 そんな二人を出迎えたのが、二人の頭痛の種である、次男・秀だった。 二人は荷物を置くと、秀と話し合いをするために、リビングに向かった。 リビングでは、三人分のお茶を用意した秀が待っていた。 前へ |次へ |
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