《MUMEI》

「秀。あの二人は、気に入らなかったか?」

大志の言葉に、秀は首を横に振った。

『あの二人』

とは…

果穂が、秀の為に選んだ二人の花嫁候補の事だった。
「母さんが、俺の事考えて選んでくれたのは、わかったよ。
サラは、『正反対』でメイファは、『よく似てた』」
サラは、最初の花嫁候補で、金髪美女で、活発で、自分に自信を持っていた。

メイファは、二番目の花嫁候補で、アジアンビューティーで、物静かで、いつも自分に自信がなさそうな態度をとっていた。

「…最終的に、こんなのも用意してたんだけどね」

果穂は、三人目の花嫁候補の写真と資料を見せた。

その『名前』と『容姿』を見て、秀は苦笑した。

「よく、探したね」

「…仕方ないでしょう」

秀の言葉に、果穂が、珍しく眉間にしわを寄せた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫