《MUMEI》

「私はね、あんたの相手が男だって、年下だって、年上だって、犯罪者だって、あんたが好きなら反対しないわよ…

でも…

仕方ないじゃない…」

「ごめん…」

本当に、珍しく泣きそうな果穂に、秀は頭を下げた。
「そう思うなら、三人の中から選んで、結婚しなさいよ!」

怒る果穂に、秀は謝りながら…

「彼女達を…『身代わり』にはできない』

と、苦しそうに言った。

「秀…じゃあ、電話で言ってた通りで、いいんだな?」

隣で震える果穂の肩を抱きながら、大志は秀に確認した。

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